ギターの練習というと、「速く正確に弾けるようになりたい」という願望を持つ方も多いでしょう。
実際、ギタープレイの進化は、その高いテクニックを追求する時代によって大きく押し上げられてきました。

テクニカル黄金時代の功績

1980年代〜90年代初頭にかけては、“速弾き”や“高度なスウィープピッキング”など、プレイスタイルとしての派手さや難度の高い技術に注目が集まりました。
イングヴェイ・マルムスティーン、ポール・ギルバート、スティーヴ・ヴァイといった世界的なギタリストたちは、まさにテクニックの最前線でギター文化を牽引してきました。

当時のシーンは、今振り返れば「ギターが一種のスポーツのように扱われていた」側面もありますが、彼らが築き上げたプレイ技術は、今日のプレイヤーたちが基礎にできる貴重な財産でもあります。
あの時代があったからこそ、ギターという楽器の可能性が大きく広がったのです。

ただ速く弾けるだけではない「音楽としての完成度」

とはいえ、現代における音楽のニーズは大きく変わりつつあります。
ジャンルの多様化や、よりパーソナルな表現が重視されるようになった今、単なるスピードや正確さだけでは評価されない場面も増えてきました。

「技術があるのに人の心に届かない」
「速く弾けても、音楽としては単調に聞こえる」

そんな悩みを持つ中級者以上の方に出会うことも、指導をしていると少なくありません。

そこで今、改めて見直されているのが——
“テクニック”と“音楽性”のバランスです。

表現力を高めるための練習とは?

たとえば、フレーズの抑揚や音の余韻、間の取り方など、
テクニックでは説明できないような「感覚的な部分」も音楽には欠かせません。

それを磨くには、耳を鍛えること、コードの響きを意識すること、人の演奏をよく聴くこと——
ただ弾くのではなく、感じながら音を出すことが大切です。

もちろん、基礎的なテクニックの練習も非常に重要です。
しかしそれに偏りすぎると、「音楽そのもの」に触れる時間が不足してしまうこともあります。

今、求められているのは“伝わる演奏”

上達の過程で、多くの人が一度は「スピード」「難しい技」を目指す時期を経験します。
それ自体が悪いのではなく、それをどう使って“音楽として伝えるか”に目を向けるタイミングが大切なのです。

たとえば、生徒さんが「もっと速く弾けるようになりたい」と言ったとき、私はこうお伝えしています。

「もちろん速く弾けたら楽しい。でもその中で、“気持ちが乗った音”や“フレーズに命があること”も、同じくらい大事なんだよ」

音楽は、表現です。
そしてギターはその手段でしかありません。

技術を持ちながら、相手に伝わる音を出せる人が、これからの時代にはより求められるはずです。

ギターを“音楽”として楽しむために

昔のようなテクニカル志向の練習が無意味ということではありません。
ただ、その先にある“音楽としての豊かさ”を見据えた練習こそが、あなたの演奏を大きく育ててくれるのです。

バランスの取れた練習を意識して、技術と音楽性の両輪で、自分の音を深めていきましょう。

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「音楽って、やっぱり楽しい」——そう思える時間をご一緒できたら嬉しいです。

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