「いつか、この曲を自分で弾いてみたい」

ギターやウクレレを始めようと思ったとき、最初に浮かんだ曲はありますか。好きなアーティストの曲や、昔よく聴いた一曲、家で口ずさんでいる歌かもしれません。ところが演奏動画を見ると難しそうで、「初心者がこの曲を習いたいと言ってもいいのかな」と迷うことがあります。

弾きたい曲があるなら、最初に教えてください。まだ曲が決まっていなくても大丈夫です。すぐに原曲どおりに弾けなくても、どの部分から取り組めるかは一緒に考えられます。

博多・中洲川端・大橋・桜坂・春日市・大野城市エリアでギター・ウクレレのマンツーマンレッスンを行うK Sound Designでは、弾きたい曲を出発点に、必要な基礎を無理のない順番で身につけていくことを大切にしています。この記事では、好きな曲を目標にしながら、今の自分に合う始め方を考えていきます。

「この曲を弾きたい」という希望を、もう少し聞かせてください

同じ曲でも、思い描く演奏は人によって違います。

  • 歌いながら、ギターやウクレレで伴奏したい
  • 印象的なイントロや、サビのメロディーを弾きたい
  • 歌わずに、楽器だけで一曲を楽しみたい

たとえば「ギターやウクレレでこの歌を弾きたい」という希望でも、コード伴奏をしながら歌う場合と、メロディーと伴奏を一人で弾くソロ演奏では、取り組む内容が変わります。

だから、曲名だけで「初心者向け」「まだ難しい」と決めず、その曲の何に惹かれ、どんなふうに楽しみたいのかを確認したいのです。「動画のこの部分が好き」と教えていただくだけでも、目標を考える手がかりになります。

まだどんな形で弾きたいか決まっていなくても、そのままで大丈夫です。伴奏やメロディーなどの違いを確かめながら、目指したい演奏を一緒に整理できます。

どんなふうに弾きたいかが見えてきたら、次は、その演奏に近づくための入口を決めます。

原曲どおりの演奏が難しくても、始め方はあります

最初から一曲すべてを原曲の速さや弾き方で再現する必要はありません。たとえば、次のような始め方があります。

まずは、好きな一部分から

サビの最初や印象的な短いフレーズなど、取り組む範囲を決めます。「一曲を最後まで弾くこと」だけでなく、「好きな部分の音を自分で出してみる」ことも、最初の目標にできます。

伴奏の弾き方を整理する

原曲の細かなリズムをそのまま再現するのが難しい場合は、まず一定の拍に合わせてコードを鳴らす形を検討します。右手の動きをシンプルにした形で曲の流れを確かめ、後から原曲のリズムに近づける、という進め方です。

弾きたい曲につながる、別の課題を挟む

希望する演奏に必要なコードチェンジやリズムがまだ難しければ、短い練習課題や別の曲を使うこともあります。そのときは「なぜ今これを練習するのか」「弾きたい曲のどこにつながるのか」を共有することを大切にします。

以上は進め方の例で、どの曲にも同じ方法が合うわけではありません。取り組みやすい形にすると、原曲の響きや雰囲気が変わることもあります。大切にしたい部分を伺いながら、今できる形と、その先の進め方を考えます。

入口が決まったら、必要な基礎を見極めて練習します。基礎だけを切り離すのではなく、弾きたい曲に戻して試すところまでを、一つの流れとして考えます。

基礎練習を、弾きたい曲につなげる

好きな曲から始めるといっても、構え方、音の出し方、コード、リズムなどの基礎は必要です。KSDが大切にしたいのは、今の練習が弾きたい演奏のどこにつながっているのかを、本人にも見通せるようにすることです。

たとえば、弾き語りを目指す場合は、次のように考えられます。これは特定の生徒さんの実績ではなく、練習の組み立て方の説明例です。

  1. 小さな到達点を決める:サビの短い区間を、まずは歌わずに伴奏してみる。
  2. 必要な基礎を取り出す:その区間で使うコードの押さえ方や、コードチェンジのタイミングを確かめる。
  3. 曲に戻して試す:今の段階で無理のない速さと弾き方で、区間をつなげてみる。

ここで見ているのは、練習回数だけではありません。必要な音が出たか、次のコードへスムーズに移れたか、拍を保てたかなど、今回の目標に関わる点を確認します。うまくいかなければ、取り組む範囲や課題を調整します。

一つの曲に取り組むだけですべての基礎が身につくわけではないので、別の練習が必要になることもあります。練習内容と目標のつながりが分かれば、「何のためにやっているのだろう」という迷いを減らせると、私たちは考えています。

「好き」という気持ちは、練習を考える大切な手がかり

なぜKSDは、好きな曲を練習の出発点として大切にするのでしょうか。単に楽しく始められるから、というだけではありません。音楽学習の研究でも、本人が選んだ曲や、自分にとって価値があると感じる活動への取り組みが検討されています。

若い初心者のクラリネット奏者1名を対象にした事例研究では、自分で選んだ曲を練習したとき、教師が指定した曲に取り組んだときよりも、指を動かさずに運指を考える、頭の中で音楽を思い浮かべる、歌うといった練習方略や、難しい部分への粘り強い取り組みが見られました。ただし、1名の事例であり、すべての初心者に同じ結果が生じるとは言えません。[研究1]

また、オーストラリアとニュージーランドの9大学に在籍する音楽専攻の学生392人を対象にした調査では、自分にとって価値があり、面白いと感じる活動に自ら取り組む「自律的な動機づけ」が、練習の頻度や質、難しい課題への取り組み方と関連していました。こちらも、好きな曲を選ぶだけで大人の初心者の上達が早まることを証明した研究ではありません。[研究2]

これらの研究が直接示しているのは、好きな曲を選べば必ず上達するということではありません。それでも、本人が価値を感じられる曲や課題を出発点にすることは、練習を考える大切な手がかりになります。KSDでは「何を弾きたいか」を、練習を組み立てるための大切な情報として受け止めます。好きな曲への気持ちと、今取り組める難しさの両方を見ながら進めていきます。

この考え方が、KSDの日々のレッスンでどのように表れているかを、実際に寄せられた口コミからも見てみます。

口コミから伝わるのは、弾きたい気持ちとレッスン内容のつながり

KSDに寄せられたGoogleの口コミでは、弾きたい曲に近づくための内容を一人ひとりに合わせて考えてもらえること、そして少しずつ弾ける実感を持てていることへの喜びが語られていました。口コミの原文をそのまま転載せず、この記事のテーマに沿って趣旨を要約しています。

これらの口コミから、私たちが特に大切だと感じたのは、弾きたい曲を扱うことだけではありません。コツや仕組みを説明し、つまずきに応じて別のアプローチを選びながら、目標の曲に必要な練習へつないでいることです。個人の感想をそのまま他の方の成果や必要期間に当てはめることはできませんが、KSDがこれからも守りたい教室のあり方だと考えています。

体験では「この曲を弾いてみたい」から話してみませんか

体験前に曲を練習して仕上げておく必要はありません。曲名や動画のURL、気になっている部分があれば教えてください。「楽器は初めてです」「コードを少し覚えました」といった今の状況も、分かる範囲で十分です。

体験では、今取り組めそうなことと、最初に練習したいことを相談しましょう。「この曲は難しいですか?」だけでなく、「私なら、どこから始められますか?」と聞いていただいても構いません。

目標の曲が決まっていなくても、よく聴く音楽や好きな雰囲気から相談できます。体験レッスンは1回60分・1,000円(税込)です。レッスンの内容・料金・会場は、レッスン案内をご覧ください。

その一曲を、始めるきっかけに。

LINEでは「初心者ですが、〇〇を弾いてみたいです」とお送りください。ギターかウクレレかも添えていただけると、最初のご案内がスムーズです。

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K Sound Design 野田賢亮
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参考にした研究と、この記事での扱い

研究1:Renwick, J. M., & McPherson, G. E.(2002). Interest and choice: student-selected repertoire and its effect on practising behaviour. British Journal of Music Education, 19(2), 173–188. 出版社公開の抄録を参照。若い初心者クラリネット奏者1名の事例研究です。

研究2:Evans, P., & Bonneville-Roussy, A.(2016). Self-determined motivation for practice in university music students. Psychology of Music, 44(5), 1095–1110. 音楽専攻の学生392名(豪州・NZの9大学)への調査であり、初心者の選曲による上達効果を検証した実験ではありません。

研究は指導を考える参考として紹介しています。本文の進め方は説明例であり、これらの研究でKSDのレッスン効果が検証されたという意味ではありません。